誰かの家庭事情
※この話はハクション(フィクション)ですが、実在の人物とは関係があります。
第1(笑)
ジリジリジリジリ
6時にセットされた目覚ましが鳴る。重たくのしかかる目蓋を無理矢理こじ開けてリビングへ向かった。
この家の家族構成は、母の杉(43),長男のピーマンつまり俺(18),長女の
アサミ(20),次男のミナミ(17)だ。父親についてはいざこざがあったらしいが杉は何も教えてはくれていない。
「ほら、ピーマンもさっさと食べちゃいなさい。」
杉に背中を推され椅子に座らされる。リビングに到着した俺は気が付かない間にぼーっとつっ立っていたらしい。 アサミは既に食後のコーヒーを飲んでいた。 ミナミは……いない。どうしたのだろう…。 寝惚けた脳味噌でもぐもぐと思考を巡
らせていると、7時になっていたらしく慌ただしくアサミが出掛けて行った。
「後でミナミのところに持って行ってね。」 杉に朝食プレートを手渡される。
「今日は何時頃に帰って来る?」
父親がいないため杉が働いている。帰りが遅いときの家事は俺の仕事だ。
「今日は残業で遅くなるから…。」
申し訳なさそうな顔で、よろしくね、と言い出勤してしまった。
いつまで経っても起きて来ないミナミに朝食を届けに行くことにする。好き嫌
いが激しいため1人メニューが違う。今日は、食パン4枚,練乳1本,小豆1缶
だ。
コンコン―――ガチャり
「――――っ!」
さ…酒臭っ。もわもわとした淀んだ空気の中、ミナミはベッドで死体化していた
。
「ソルマック買って来て~~~。」
死体から低く掠れた呻きが聞こえた。
「金は机~~。」
机の上には札束……札束?
「ミナミ…これどうしたんだ…?」
「…昨日…今日?まぁ、色々あったんだ……それより早くソルマック…。」
釣りはやる、と言う呟きを聞き、札束から1枚抜き取ると早々とミナミの部屋を
後にした。
第二(笑)
ソルマックを買うために近くの薬局に行くことにする。コンビニだともっと近
いのだが値段が定価なのだ。 十字路に差し掛かった所で不意に背後から視線を感
じた。辺りを見回してみるが、誰も見当たらない。
「まぁ…いいか…。」
違和感を感じながらも、薬局でソルマックを3,4本買って家に帰った。
ミナミの部屋に直行する。
「~~~ありがと~。」
すぐさま1本目を一気に飲み干す。
「ソルマックって美味しいのか?」
※未成年でソルマックのお世話になる奴はまずいないだろう。と、言うよりいたらおかしい。
無言で空きビンを差し出してくる。好奇心のまま少し残っている液を舐めてみた………
「げっ――げほっ!」
苦い&すーすーすーすーっ!
「よくこんなの飲めるなぁ…」
刺激の強さに目尻がうるんでくる。味わうからだ、と言われてしまった。味わう
のは駄目だったらしい。
「そういや、昼飯,晩飯、何がいい?杉は今日遅くなるらしいよ。」
「昼がチョコパフェで晩がチョコトケーキがいい。」
「……………。」
いつも、栄養価の高いピーマンなんかを食べてくれればいいのに…、と思いつつ
もミナミの頑固さと偏食加減は身に染みているので、諦める事にした。
☆☆☆
AM11:30
冷蔵庫にあった残り物を適当に食べ、洗面器サイズのパフェをミナミの部屋に
運ぶ。
「昼だぞー。」
「隣においといて。」
復活したらしく、ミナミはパソコンに向かっていた。ミナミのパソコンは普通の
とは違い、杉の手で改造されたものだ。詳しいことは知らないが容量が大きいら
しい。
ベッドに座ってミナミを観察してみる。色素が足りていないのか毛(眉も含む
)は茶色く、目は何故か黄色い。身長は166㎝と低め。(因みに俺は175㎝だ。)
髮は切るのが面倒臭いのかわりかし長い。
そうこうしているうちに、睡眠時間が足りていなかったのか深い眠りに落ちた
。